クリエイター・ブランドの活動を継続的に支援していく、コミュニティー専用のオウンドプラットフォーム「OSIRO」をご提供されているオシロ株式会社の石田さまにお話をお伺いいたしました。アーティストにファンとエールが得られる仕組みを!創業者である代表の杉山は、20代のころ絵のアーティスト活動を行なっていましたが、30才を機にその活動に終止符を打ちました。その自身の体験から、アーティストとして活動していきたい人たちを応援したいという気持ちがすごく強いのです。アーティストの「ファン」である人たち同士がコミュニケーションを取れる仕組みと、サブスクリプションの仕組みの両方があると、アーティストが「ファン」と「エール」の両方を得られるのではないか、と考えていました。 当時、OSIROのようなサービスはなかったんです。だから自分で作ろうと考えたのがOSIROの始まりです。コロナ禍によって、オンラインコミュニケーションの重要性が高まった最初の3年間は、ステルスというわけではないですが大きく営業活動は行っておらず、プロダクト開発に注力してきました。ところが、創業4年目の2020年にコロナがあり、私たちのサービスにとっては追い風になりました。世界的なコロナ禍によって対面によるコミュニケーションが失われ、クリエイターの方々にとって事業や活動に多大な影響があり、今後の活動を不安に思われた方が増えていきました。結果、オンラインによるコミュニケーションがより重宝されるような状況になり、創業からの3年間に比べ2020年以降は急成長していきました。 これまでは個人のクリエイターの方々をメインに提供してきたのですが、最近は企業様からの問い合わせもすごく増えています。すでにご活用いただいている企業様もいらっしゃいますし、今後も増やしていきたいと思っているところです。クリエイターに選ばれる、世界観とファンの活性化OSIROのサービスには特徴が2つあって、1つは世界観で、2つ目は活性化です。世界観においては、どうやってクリエイターのこだわりの世界観を表すかといった点を追求しており、デザインを含めたUI/UXでクリエイターの世界観を表現できるかを大事にしています。全体的なUIでは、ロゴやカラー、背景画像などのパーツ画像を設定したり、メニューの項目名などを好きなワーディングに設定することができるようになっています。また、コミュニティでどのような活動をしているのかを具体的に述べて、入会に繋げていく募集ページがあります。 自由にデザインができるため、私たちがデザインやコーディングを承る場合もありますし、クリエイターさん自身でデザインやコーディングができるという場合はご自身にご対応いただいております。活性化においては、ファン同士のコミュニケーションが自発的に発生する仕組みが様々に実装されているのが特徴です。OSIROで、ファンのアクション度を熱量指数として計測できるようにもなっています。伝えたい価値観や活動テーマがある方にご活用いただけるサービスOSIROのサービスをご利用くださっているのは、ご自身の伝えたい価値観や活動テーマがある方々に多い傾向があります。ご自身で作ったブランドや作品、メソッドなどがあって、それらの発信や実践を、コミュニティの力でご支援していきたいと思っています。私たちもサービスをグロースさせていく段階でもありますので、今後は個人クリエイターさんに加えて、エンタープライズやブランド様への提供にも力をいれていきたいと考えています。ライフスタイルに関するクリエイターを中心に広がるOSIROのコミュニティコミュニティのテーマで言いますと、ライフスタイルに関するものに多い傾向があります。例えば、オーガニックなライフスタイルや、女性らしいライフスタイルをおくるなど、大きく括るとライフスタイルというテーマが多くあります。また、フィットネス系も最近目立つテーマです。女性フィットネストレーナーの方のコミュニティや、ヨガをテーマにしている方々がいらっしゃいます。継続的な活動が重要なコミュニティは、ファン同士でのつながりが継続の後押しになるので、OSIROのコミュニティと相性がとてもよいのです。その他には、出版社やウェブメディアなど、企業のコミュニティも多くあります。たとえば編集力をあげるというテーマでは、これまでのようにコンテンツを読んでおわりではなく能動的な活動がテーマのコミュニティが開催されています。コミュニティ設計が継続的な活動を支援するためのカギクリエイターのファンを増やすために、SNSを活用した集客方法もご支援しておりますが、ファンに魅力を伝え、入会していただいた方々が満足して居場所になることが重要だと考えています。 そのため、OSIROのサービスを開始するときに、コミュニティ設計と呼んでいる企画のサポートを行っています。クリエイターさんがコミュニティをどんな場にしていきたいか、どんな人に入ってきてもらいたいかなど、目指しているコミュニティを一緒に作っていくための大事なプロセスです。このプロセスでコミュニティのゴールが明確に打ち出せると、入ってくるファンの方々とのズレが少なくなるので、居場所になりやすくなります。それが、結果としてクリエイターの満足度やご自身の実現したいコミュニティの世界観に繋がっています。編集後記クリエイターの活動を継続的に支援していくため、ファンとの関係性をクリエイターとともに考え、コミュニティーに反映し運営ていくためのサービスを提供しているプラットフォーム「OSIRO」ならではの取り組み方やサービスの特徴を伺うことができました。顔が見えない中、一方的なコミュニケーションになりがちですが、ファンにとっての価値とアーティストのモチベーションを紐づけていく、これまでにありそうで無かったサービスだと言えます。インターネット上のサービスとして、その他の業種業態にも参考になるのではないでしょうか。